代表からのメッセージ

今世界のパラダイムは、三つのドライバーによって大きな変革を遂げようとしています。

一つ目は、グローバル資本主義経済の行き詰まりです。冷戦の終結で世界全体一つの市場となって、IT革命と金融自由化でお金と情報が軽々と国境を越えるようになりました。そこでは、一番安い国で大量にモノが生産され、大量輸送され、世界中で大量消費されるようになり、お金で測る豊かさは飛躍的に増大しました。一方で、市場原理の外側で、環境問題や貧富の格差(外部不経済と言います)が深刻になって、恩恵に預かれない多数の国民が行きすぎた資本主義経済に選挙でノーを突きつけるようになりました。

二つ目は、1990年代に起こったIT革命が第二段階に入ったことです。これまでの20年間は人と人の間で情報をやり取りしていたのが、モノとモノ、モノと人をつなぐモノのインターネット(IoT)の時代に入りました。そしてAIやロボット、自動化によって生産性が飛躍的に高まるデジタル経済化が進んでいます。そこではあらゆることがデータで管理されていきます。

三つ目は、デジタル経済を基礎として、シェア経済化が進んでいることです。メルカリやUber、クラウドソーシング、クラウドファンディング、仮想通貨などのように個人と個人の間でモノやサービスあるいはお金ですら直接取引(これをP2P取引と言います)できるようになっています。例えばUberでは、車と運転手の空き時間を複数の人が使用するので、車の生産台数は落ち、レンタカー会社やタクシー会社の売り上げや給料が落ち、回転するお金で測った市場規模を示すGDPはマイナスになりますが、利用者にとっては、中間マージンがほぼゼロになったり、余った分を分け合ったりする事で所有しなくても安くて便利に使えるようになります。しかも出し手と受け手が目に見える形で繋がることが出来ます。社会全体で見ても、ムリ・ムダ・ムラがなくなって、お金では測れない国民の豊かさ(外部経済と言います)はむしろ向上する可能性があります。

この三つのドライバーは相互に密接に関わっていて、行き詰まりを見せているお金だけで測るグローバル資本主義経済を、デジタル経済化によってお金だけでは測れない豊かさを見える化して、国民全てが豊かさを分かち合え、環境的にも人道的にも持続可能なシェア経済(持続可能な開発目標:SDGの実現)へ移行する筋道が見えて来ています。

私たちは、このような大きなパラダイムシフトの中で、地球環境に優しい再生可能エネルギーのP2P取引をブロックチェーンを使って、しっかりと商用化して、シェア経済の発展、そしてSDGの促進に貢献したいと考えています。

四方を海に囲まれた島国で農耕を営んできた日本は、もともと世界でも類を見ないほどシェア経済が発展していました。「情けは人のためならず」や近江商人の「三方良し」という言葉に象徴されるように、田植えや入会地の手入れは村人総出で行い(今で言うところのクラウドソーシング)、お隣さん同士で味噌や醤油を融通したり、共同浴場に入ったり、駅の無料傘を使ったり普通にしていました。戦前の大家族から、戦後の核家族へ、そして今では単身世帯が当たり前になりましたが、LineやTwitter などのSNSで緩く繋ぎ合って、同じニュースに喜びや悲しみを共感したり、助け合ったりする国民性は世界でも稀です。ですので、日本独自の性善説に立った持続可能なシェア経済モデルを作って、それを世界に発信することでSDGの実現を図れると思います。

私たちのビジネスも、その一環として国境を超えて役に立てると考えていて、すでにアジアの国々への展開の準備を進めています。みんなが豊かになるシェア経済を世界中に広げていくお手伝いが出来ればこんな幸せなことはございません。御理解とご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

株式会社電力シェアリング 代表取締役社長 酒井直樹